こんにちは!ポストクッキー事業部の松谷です。
2024年の夏、3rd Party Cookieが規制される今、リターゲティング広告ができなくなり広告業界に大きな影響を及ぼします。
そんな中、Cookieレスの代替策の一つ、共通IDソリューションが注目されています。
今回は、共通IDソリューションの中でも、推定IDの一種である『IM-UID』の概要や導入メリットなどを解説します。
共通IDソリューションを活用した広告配信について知りたい方、ぜひご覧ください!
▼こんな方におすすめです
・Cookieの代替ソリューションについて知りたい方
・推定IDでの広告配信事例を把握したい方
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『IM-UID』を活用した広告配信を理解する前に、まず共通IDソリューションの概要を知る必要があります。
共通IDソリューションとは、3rd Party Cookie廃止後も利用できるユーザー識別子を生成するソリューションです。
ユーザーのデバイスやブラウザに対し一意の識別子(ID)を割り当てることで、個人のプライバシーを尊重しながら、ユーザー動向や関心の把握をすることができます。
共通IDを活用することで、Cookieに依存せずに特定のユーザーに向けたターゲティング及び広告効果の測定が可能になります。
現在ポストクッキー対策として、大きく3つのアプローチ方法があります。
①ID単位でのアプローチ
②非ID単位でのアプローチ
③イベントや統計によるアプローチ
上記3つのうち、3rd Party Cookieやモバイル広告IDといった識別子を代替する識別方法を用いて、ユーザーを「個」単位で捕捉し続けるアプローチが、ID単位アプローチです。
その中でも、共通IDソリューションには、大きく2つの方式が存在します。
共通IDソリューションには、大きく分けて2つのアプローチ方法が存在します。
①確定ID
確定IDとは、ユーザーから同意を得られたメールアドレスなどの確定データを暗号化して生成されるIDです。
確定データをキーとしているため、下記で説明する推定IDと比べて非常に精度の高いターゲティングが可能となる方式です。
確定IDの利活用によって、広告主はユーザーの正確な興味や購買行動を把握でき、その情報に基づくパーソナライズされたマーケティング戦略を展開できます。
デメリットとして、広告配信の際の配信ボリュームが少ないことがあげられます。
②推定ID
推定IDとは、Web上で得られるユーザーの行動やIPアドレスなどから生成されるIDです。
推定IDはユーザーの個人情報ではなく、ブラウザの種類や訪問サイト・検索履歴などのインターネット上の一般的なデータを基に生成されるため、大量に生成が可能です。
推定IDの利活用によって、広告主はユーザーのプライバシーに配慮しながら広範囲でのターゲティングやセグメントに広告を配信することができます。
確定IDに比べて導入がしやすい一方、精度が低いことが課題です。
両者は競合するものではないため、併用で活用していく広告主様も増えています。
マイクロアドでは、両IDの様々なソリューションに対応しています。
今回は、拡張性から評価が高い推定IDソリューション『IM-UID』について解説します。
IM-UIDとは、インティメート・マージャー社が提供する推定IDです。
IM-UIDは、インターネット接続で取得できるCookie以外の情報から生成されているIDです。例えば、IPアドレスやユーザーが利用しているOSなどが挙げられます。
上記の情報は、Cookieのように特定のユーザーを確定的に識別せず、ユーザーもオプトアウトが可能なため、プライバシー保護の観点からも新たな広告配信手法として注目を集めています。
3rd Party Cookie規制による具体的な影響として最も大きいのは、日本国内でシェア率の高いブラウザにリターゲティングができなくなることです。
statcounteの2023年に行なった統計によると、日本のモバイルデバイスにおけるブラウザ利用シェア率は、Safariで61.6%、Chromeで32.7%という結果になっています。
前述の通り、ChromeとSafariだけで全体の90%を占めており、両者はCookie規制においてリターゲティングが不可になっています。
これは、日本国内で6割強のモバイルシェアを占めているiPhoneユーザーに対して、リターゲティングがほとんど出来ないということを意味します。
『IM-UID』では、Cookieを活用せずとも異なるドメイン間で3rd Party Dataを連携して、自社サイト来訪者へのリターゲティングが可能になります。
▼IM-UID生成の仕組み
上記のように、従来のCookieを活用したモバイルユーザーへのリターゲティング配信では、Android上かつGoogle Chromeを使っているユーザーにしかリーチできていませんでした。
iOSを搭載しているiPhoneデバイス上では、既に2020年にApple社がITPにより3rd Party Cookieの取得が不可能になっています。
その時点で、日本国内で6割強のモバイルシェアを占めているiPhoneユーザーに対しては、Cookieを活用したリターゲティングができていませんでした。
なお、Google社が開発したAndroidのデバイス上では、自社サイト来訪者に対してリターゲティングが可能でした。
IM-UIDを導入する最大のメリットは、今までできていなかったiOSユーザーに配信が可能な点です。
日本は世界と比べて特にiPhone利用率が約60%と高く、特に10〜20代の若年層で利用率が高い傾向が見受けられます。
IM-UIDを活用したリターゲティング広告では、従来のAndroidユーザーに加えてiOSユーザーにもリーチが可能なため、従来の3倍のリーチが見込まれます。
利用率の高く広告のターゲット層になりやすいiOSユーザーへのリーチが拡大することにより、広告効果も高まると予想されます。
IM-UIDは推定IDのため、導入ハードルが低いことも特徴です。
広告主様のサイトにタグを設置すれば配信が可能なため、導入コストの低さも魅力的ですね。
マイクロアドでIM-UIDを活用した広告配信を行う際は、従来の各種ターゲティング手法にもIM-UIDベースで対応しています。
① リターゲティング
IM-UIDを活用することで、自社サイト来訪者に対して、サイト離脱後にも外部メディアに広告を配信できます。
サイト来訪者にIDを付与してターゲティング対象と推定することでリターゲティングを可能にします。
② 興味関心ターゲティング
マイクロアドでは、IM-UIDをベースにした興味関心ターゲティングにも対応しています。
例えば、「美容」「健康」「IT」など、iOSユーザーにも興味関心の嗜好性に基づいたターゲティングが可能です。
③ 類似拡張ターゲティング
サイト来訪者やサイトのコンバージョンユーザー、上記で説明した興味関心トピックなどのセグメントにおいて、iOSユーザーにも拡張配信が可能です。
足元のCookieを利用した広告配信においても転用可能な仕組みとなっており、直近の広告配信においてもリーチ規模を拡大できます。
上記のようなターゲティングで、広告パフォーマンスと配信ボリュームを柔軟に調整が可能です。
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ここからは、IM-UIDの実際の事例についてご紹介します。
現在、マイクロアドではIM-UIDの導入社数は200社を突破いたしました。
ブランド領域、ダイレクト領域共に、iOSユーザーへリーチを拡大した配信によって、広告効果の改善に繋がっています。
今回は、その中でも3つの事例を紹介しますので、ぜひ活用イメージの参考にしてください!
商材:ギャンブル関連商材
CVポイント:購入
導入背景:リターゲティング配信において、IM-UIDを活用したiOSユーザーへのリターゲティング配信を実施しました。Cookieだけではない新たなアプローチで効果改善を図るために実施した事例です。
結果:従来のCookieを活用した配信に比べて、CPAが約130%改善されました。
商材:サプリメント
CVポイント:購入完了・カート追加完了
導入背景:新規ユーザーへ配信対象を広げるため、IM-UIDによるiOS配信を実施しました。
結果:Android面と比べて入札競争の少ないiOS面を活用することで、CPMを低く抑えた配信に成功しました。
また、CPA単価もCookie配信に比べて約180%改善させました。
商材:クリニック
CVポイント:診察申し込み完了(間接CV60日)
導入背景:iOSユーザーへアプローチを広げながら、配信ボリュームを増加させる目的で実施しました。
結果:配信ボリュームを400%増加させることができ、CPAもAndroid配信と比較して約150%改善しました。
今回ご紹介した3つの事例は、iOSユーザーにもターゲティングできるようになり、効果が改善した事例となっています。
前述したように、iOSユーザーへの配信は広告効果が高くなることが見込まれるため、今後さらに共通IDソリューションは活用されていくでしょう。
今回は、共通IDソリューションの一種である『IM-UID』について解説しました。
『IM-UID』は、Cookieを利用せずに異なるドメイン間で3rd Party Dataを連携する、プライバシーを配慮した広告配信を提供する共通IDソリューションです。
Cookieの利用規制により広告配信が困難であったiOSデバイスにおいても、『IM-UID』と連携することで広告配信を行うことが可能になることが大きな特徴です。
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